ある女性建築家の暮らし

設計事務所をしながら、三姉妹を育てています。女性であり仕事をもち子供がいること。悩みの多い毎日について書きとめていきます

今日のインターン生は、ドイツ人の男の子、ポルトガル人セラミックアーティスト、京都の大学生の3人でした。

海外の建築学科は卒業要件としてインターンが必要なところも多く、この機会に海外生活を経験してみようという建築学生がたくさんいます。

うちの事務所は、海外の建築系ウェブサイトに作品が紹介されていて、京都という個性的な街にあって、シェアハウスを提供している、ということで毎日一通ぐらいは応募メールがやってきます。もともと建築分野では、図面やパースが言葉の代わり。3次元の表現スキルが高ければ、すぐに即戦力になってくれることもあって、ポートフォリオが個性的な人を選んで、常に1〜2人のインターンに来てもらっています。

 

仕事を手伝ってもらうだけでなく、彼らと話をするのはとても楽しい。

例えばスターアーキテクトは世界共通のアイドルなので、「どんな建築家が好き?」と聞くと、「アンドー」とか「SANAA」とか「ザハ・ハディド」とか盛り上がることができますし、その一方で、どんな建築教育を受けたかには、大変お国柄がでます。

 

今滞在しているドイツ人のアレックスは、シュトゥットガルト大学のマスターコースの学生。去年は1年間ロンドンのフォスター事務所でインターンしていたというからかなりのもの。こんな風に大小さまざま、世界各地の設計事務所をみっちりと体験して、この秋国に帰って卒業したら、いよいよ本格的にキャリアを始める、2、3年働いたら自分の事務所をひらく!と宣言しました。

ポルトガル人のクリスティーナはすでにキャリアのあるセラミックアーティスト。もとから興味のあった建築を勉強したいということで、1週間に一度、事務所に来ています。模型をつくったり、図面を描いたりしながら建築を学ぶ一方で、素材のこと、展覧会のこと、子育てのことまで人生の先輩!として相談にのってくれる存在。興味のあることにはどんどん関わっていく姿勢は本当にえらい!来月は里帰りするのでちょっと寂しくなります。

1ヶ月きている京都の大学生T君は、インターンをすると卒業後の一級建築士の受験要件が緩和されるそうです。もうひとつ行ったことのあるインターン先は某大手ゼネコン設計部だそうで、そろそろ就職活動の時期、どんな道にすすむか迷い中といったところでしょうか。

 

まったく三者三様。

私自身が卒業の頃には…どうだったかな。

まあ、うちの事務所の中をみわたしただけでも、いろんな道があるんだな〜と日本人の男の子がしみじみ思ってくれるとうれしいな。

自分自身、社会に出て20年、学生時代には予想だにしなかった道を通ってきているので、誰にも先輩じみたことは言えないです。